歯ブラシ 歯磨剤 抗菌剤
こんにちは。
先日「歯ブラシ、歯磨剤、殺菌剤、抗菌剤の選定と使い分け」というオンラインセミナーに参加しました。
その中で印象に残った情報をみなさんにお知らせします。
① 歯ブラシ、歯磨剤について
以下の4つのブラッシングに関する見解が、高いエビデンスレベルで明らかになっています。
・不十分なブラッシング頻度は歯周病を重症化させる
・歯間部清掃は重要である
・ハイリスク歯周病患者にはより大切である
・手用と比べて電動歯ブラシは有効である(時間的に)
また、炎症は歯間部から!!ということで、フロスや歯間ブラシなどの歯間清掃は必須になります。
歯ブラシの選択基準については、
歯列の状態、歯肉の状態、子供、大人、高齢者、不器用な方なのか、などにより一人ひとりのリスクに応じた選択を行うことが重要です。
歯磨剤のプラーク除去効果については2割程度といわれており、残り8割はブラッシング(機械的除去)での効果が主体となります。
②洗口液の意義と使用方法
洗口液には、う蝕予防、バイオフィルム抑制、歯肉炎抑制、保湿、口臭抑制、歯石沈着抑制など、様々な種類のものが販売されていますが、今回はバイオフィルム、歯肉炎抑制に焦点を当ててご紹介します。
有効的使用方法は、「ブラッシング後、有効性のある洗口液を10ml用いて1日2回30秒の洗口」で、
5-7時間持続するので抗菌歯磨剤より優れているようです。
また、バイオフィルム、歯肉炎抑制効果は、1-2割程度であり、
必ずブラッシングでプラーク除去を行ってから使用することが重要です。
② 抗菌薬の経口投与
SRP(歯石取り)時に予防的に抗菌薬を服用することにより、血液中に85%いる生きている細菌が、20%まで減少するようです。
経口投与の主な目的は
・急性炎症の減少
・SRPによる臨床効果の促進
・歯周治療後(手術)の感染防止
・菌血症の予防
以上のことを今回のセミナーで学びました。
歯ブラシ、歯磨剤、洗口液については先程も述べたように一人ひとりのリスクに応じた選択が重要になりますので、患者の口腔内にあったものを選定するのが、わたしたち歯科衛生士の役割だと考えています。
抗菌薬の投与に関しては、薬物アレルギー、服用薬剤との相互作用、薬物耐性などの副作用の有無、薬物投与に適した口腔内状態なのかをドクターが診断した上での使用になりますが、
少しでも日頃の歯周病治療の効果促進に繋がるのであれば前向きに取り入れ、みなさまの歯周病治療のサポートができればと思っています。
WellnessDentalClinic 歯科衛生士 小川 力丸